本番前日、深夜のリハーサル時、おふたりの合言葉は「淡々と。粛々と」でした。本番直前のリハーサルでは、賢作さんの美しいピアノと中嶋さんの深々とした歌唱が、いつにもまして天窓の空の向こうに溶け合うように立ちのぼり、何か大切なものが降り立つような、そんな気配の、秋の日曜の午後になりました。 谷川俊太郎さんと武満徹さんによる忘れえぬ名曲、俊太郎さんと賢作さん親子による多彩な名曲、幼い子らのつぶやきのような詩篇。さまざまなものを出会わせて、この日の組曲はひとつの深い作品になりました。「今や飛ぶ鳥を落とす勢いの」と賢作さんに紹介された中嶋俊晴さんの組み立てと、言葉と音楽に捧げる研鑽と情熱、そして賢作さんの懐の深いピアノと洒脱な作・編曲。このおふたりの絶妙な出会いこそが、この日の初演をこんなにも感動的なものにした、と満場の誰もが思ったことでしょう。
by hazukihallhouse
| 2024-11-18 08:58
| *音楽会のごあんない
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