谷川俊太郎さん(中央)をはじめてのゲストにお迎えしてはじまった[続続・辻征夫の肖像]。
辻征夫さんの詩はエレガントであったと谷川さんは語られました。そして純度が高かったとも。 この日の座談会も、それはエレガントで純度の高い、またとない詩の時間となりました。 はじまりは「野菜畑のソクラテス」などで知られる詩人の八木幹夫さん(右)の『余白の時間──辻征夫さんの思い出』でした。鈴木創さん(右中)のシマウマ書房が昨秋限定出版。戸次祥子さん(右下)の葉っぱのコラージュで装幀されたシックでコンパクトなこの本はしずかな話題を呼び、「ありがとう。胸が熱くなりました。あらためて辻さんの人柄と詩に。そして八木さんの間然するところのない辻さんの描き方に」という谷川俊太郎さんのことばがあらたに帯文として添えられました。 この日の構成は八木幹夫さんが綿密に準備され、辻征夫さんが自作を朗読されている肉声もCDから流れました。地の底から響いてくるようなその調べ。特に「電車と霙の雑木林」には胸が震えました。音源は谷川俊太郎さんがアメリカ人出版者と共に作られた「日本現代詩の六人」。俊太郎さん、辻征夫さん、そして永瀬清子さん、石垣りんさん、まどみちおさん、伊藤比呂美さん、それぞれの詩作品と、自声による朗読と英訳が盛り込まれた、すばらしいブックレットです。 「辻征夫の肖像」をテーマに語られたこの日のことばのさまざまは、この一枚の写真にも刻まれてはいないでしょうか。 そのポエジー、その飄々、ユーモア、抒情、苦み、哀しみ…。今から16年前の1997年に前橋文学館で開催された、第4回萩原朔太郎賞受賞記念の辻征夫展のポスターです。亡くなられる3年前の、辻征夫さんの肖像です。 辻征夫さんの「まつおかさんの家」に六歳の弟として登場する辻憲さん(左)デッサン展は、この日が最終日で、俊太郎さんもゆっくり作品を見ていってくださいました。俊太郎さんの息子さんで作曲家の谷川賢作さん、新刊の『せんはうたう』でご一緒なさった美術家の望月通陽さん。おふたりとは音楽会や展覧会でご縁がある葉月ホールハウスです。そんなせいか「はじめてきた気がしません」と俊太郎さんはこの日みなさんに語ってくださいました。 辻征夫さんの「突然の別れの日に」と共鳴するような俊太郎さんの作品に、ぼくもういきゃなきゃなんない、ではじまる「さようなら」があります。それに賢作さんがえもいわれぬせつないピアノメロディをつけ、まこりんさんの歌、大坪寛彦さんのリコーダーで一昨年の葉月ホールハウスでも奏でられ(左=現代詩を歌うバンドDiVa)、この日もCDで俊太郎さんが私たちに聴かせてくださいました。聴き入りました。「ぐっときますね」と八木幹夫さん。ほんとうに。。 そしてサイン会も終わり、最後に残ったお客さまたちと記念の一枚。 みなさま、ありがとうございました!
by hazukihallhouse
| 2013-05-22 18:54
| *詩の会のごあんない
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