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望月通陽さんのことばのタペストリーたち

筒に糊を入れ、生クリームをしぼるように描いて染め抜く[筒描き]は、古くからある日本の手染めです。
望月さんは、そんな手法に哲学的なエッセンスをほどこして、ユニークなタペストリーにしてしまうのでした。
ことばの主は、カフカ、ゲーテ、ニーチェ、ベートーヴェン…。
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サン=テグジュぺリのキツネが語るフランス語のタペストリーもありました。
それは先日お買い上げくださったお客さまが大切にお持ち帰りになられたのですが、
どんなふうなタペストリーであったのかと、たくさんのお客さまに尋ねられます。
こんな画像しかなく申し訳ありません。「さようなら、大切なものは目には見えないんだよ」とキツネが王子さまに。
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こちらはゲーテ。 “憧れを知る人だけが、私の苦悩を知っている”。 染料はザクロ。
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こちらはニーチェのツァラトゥストラ。
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光文社古典新訳文庫のツァラトゥストラではこんなふうに。
染め絵とペン画、同じ作家によるそれぞれの“新訳”ですね。
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by hazukihallhouse | 2011-11-30 13:46 | *展覧会のごあんない

望月通陽さんの型染めたち

にんげんの、
動物の、木や花の、いとなみのかたち。
それらを切り抜いた型紙を、絹麻の布にかぶせて糊をあて、
そうしてから染めています。ざくろや山桃など、自然の素材で。
染めずに残した生地のかたちは、慈愛に満ちたカーヴとなって、こんなにも美しい一枚の絵に。
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これらは型染めと呼ばれる染色技法で、望月さんの創作のみなもとにあるもの。
ならば望月さんの世界に流れる時間のみなもとはいったいどこにあるのでしょう。
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本の帯につづられた、この文章が教えてくれました。
望月通陽作品集『円周の羊』(新潮社)によせた、望月さんご自身によるあとがき「遠くからの手」のなかの一文です。
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望月さんの文章もまた、時を超えた一篇の詩のような、深い味わい。
画文集『道に降りた散歩家』(偕成社)ではボローニア国際児童図書展・特別賞(2001)を受賞されています。
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ベルギーの古都ブルッヘを歩いた日々の記憶と風景を、染め絵と手描きの散文で。
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筑摩書房の『方舟に積むものは』も人気で、今期で完売してしまいました。
その他の本と、型染めや筒描きの染め絵作品は販売しております。
11月28日29日(月・火)はお休みとさせていただき、30日の水曜日正午からまた1期を始めます。
12月3日土曜日まで。12月10日からは展示を変えて2期を始めます。またご案内申し上げます。
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by hazukihallhouse | 2011-11-29 10:35 | *展覧会のごあんない

望月通陽さんのペン画たち

光文社古典新訳文庫。
その表紙のために描かれたペン画のオリジナルたち。
そうであると知ってはいても、どれもあんまり素敵なので、
これらを買うことはできないのですか、と何人ものお客さまに尋ねられました。

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トーマス・マン 『ヴェネツィアに死す』 のための一枚。
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同じくトーマス・マン 『だまされた女』。
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シュぺルヴィエルの短編集 『海に住む少女』。
訳者の永田千奈さんがお見えくださって、ずっと静かに見つめていらしたのが印象的です。
ちょうど前日、文庫本『海に住む少女』をお買い上げになったお客さまがいらしたことをお伝えできました。
永田さんもとても喜んでくださいました。
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永田千奈さんは、モーパッサン 『女の一生』 も翻訳されています。
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by hazukihallhouse | 2011-11-27 15:53 | *展覧会のごあんない

望月通陽さんの光文社古典新訳文庫原画展が始まっています。

ちいさな入口で、
望月通陽さんが染めてくださったタペストリーでお迎えしています。
アルファベットをおなかいっぱいに呑み込んで、
HAZUKI HALL HOUSE を守ってくれているこの人は誰でしょう?
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サン=テグジュぺリの星の王子さまに、
「大切なものは目には見えないんだよ」と教えたキツネとその言葉が仏語で染め抜かれたタペストリー(奥中央)は、
お買い上げ先が決まりました。キツネはザクロで染められています。
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『星の王子さま』は野崎歓さんの新訳を得て、光文社古典新訳文庫では『ちいさな王子』になりました。
望月さんの手になる王子さまは、割り箸と墨汁で、こんなふうに愛らしく描かれています。
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こちらが原画(左上)。
時計回りに、同じくサン=テグジュぺリの『夜間飛行』、コレット『青い麦』、ジュネ『花のノートルダム』の原画です。
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5年前、[ いま、息をしている言葉で ] のキャッチフレーズのもと、
『カラマーゾフの兄弟』が亀山郁夫さんの新訳でこの絵とともに発表された時は目をみはりました。
ミーチャ、イワン、アリョーシャの三人兄弟が、たった一本の線をつらねて、
こんなにも生き生きと、ちいさな表紙いっぱいに躍動していたのです。
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古典新訳文庫既刊のすべてと、その原画を並べました。壮観です。
中央のオブジェは望月さんの鋳造ガラスによる作品。
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初日には望月さん(左)と光文社のみなさんもやってきてくださいました。
あくる日には、集英社エクラ編集部の榊原宏通さんが取材に見えて、
とてもていねいなレポート記事をさっそくWEBページにのせてくださいました。ありがとうございます!
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by hazukihallhouse | 2011-11-23 20:49 | *展覧会のごあんない

二戸さんとアルバートさん

11月19日、土曜日、雨。
望月通陽さん古典新訳文庫原画展初日の朝となりました。

ペン描きによる原画のほかに、
細長い絹麻に染めた望月さんならではのすばらしいことばのタペストリーもたくさん展示しています。
ところがこれが、壁から次々に落下してしまって、途方にくれていました。

そこへ昨日、葉月ホールハウスを薄暗いガレージからここまでによみがえらせてくれた
建築家の黒岩哲彦さんのパートナーである二戸環境建築の二戸勝さんと、
フリーの大工さんのアルバートさんが駆けつけてきてくださっていっきに設営、
きょうの初日に間に合わせてくれました!
アルバートさんはドイツの方。
望月さんのことばのタペストリーにはゲーテのことばなどもさまざまに染め抜かれています。
アルバートさんはもちろんすぐに気づかれて、裏表反対だった展示もすばやく直してくださったのでした!
おふたり、助かりました、ありがとうございました!
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by hazukihallhouse | 2011-11-19 10:28 | *展覧会のごあんない

望月通陽さんと展示の準備


望月通陽さんの[光文社古典新訳文庫原画展]オープニングが間近です。
展示準備のための月曜日は、あまりによいお天気だったので、
望月さんと夫人の克都葉さんと三人で、珈琲片手にしばらく窓辺でまったりしてしまいました。
窓外の秋の善福寺公園のここちよさ。望月さんの線とかたちのきよらかさ…。
ひときわの展覧会になりそうです。

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11月19日の初日にも、望月さんは正午から夕方までホールにいてくださることになりました!
お買い上げの文庫本や画文集に、それはそれは素敵なサインもしてくださいます。
古典新訳文庫既刊全134冊と、そのためのペン描きによるすべてのカバー原画、
美しいことばやにんげんを染め抜いた、型染め、そして筒描きタペストリー…。
昨日ここで拍手喝采の音楽会がひらかれたことが嘘のように、
ホールには望月さんの厳かな時間が満ちわたりました。
詳しい日程やイベントについてはホームページにてご確認ください。

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by hazukihallhouse | 2011-11-16 00:41 | *展覧会のごあんない

結婚25周年をお祝いして

みんなで大きな炬燵にあたっているような、あたたかい集合写真ができました。
結婚25周年記念のプライベート展覧会と音楽会、そしておもてなしパーティのすべてが終了したあとの一枚です。
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主役のご主人はいちばん左。またの名を襟久倉布団(えりくらふとん)とおっしゃるギタリストです!
もうひとり主役の奥さまは前列右から三番目。声楽家でコーラス指導者の前田那大子さんです。
左隣にはお母さま。お母さまが描かれた水墨画の数々が飾られて、ホールはしっとりとした情趣でいっぱい。
演出家の中川順子さん(掛け軸の左手前)総指揮のもと、劇団やコーラス仲間のみなさまがてきぱきとお手伝い、
友情あふれるチームワークに支えられて宴はすすんでゆきました。
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音楽会では、音大を卒業したばかりのご長女、鶴丸彩さんも、ヴァイオリンコンチェルトを力強く奏でられました。
ピアノは鈴木綾子さん。息もぴったりのおふたりです。写真は彩さんをまんなかに、ご両親と。
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前田那大子さんは、声楽家の菅野しげ子さん(中央)とピアニストの宮岡美紀さん(手前)と三人で、
[アンサンブル*レェヴ]というユニットを結成、長きにわたって演奏活動を重ねていらっしゃいます。
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左下の写真は、那大子さんと音大時代の仲良し同窓生、山崎龍子さん(右)。

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右上の写真は、那大子さんご夫妻の結婚式の媒酌をなさった、オペラ演出家の三谷礼二さん夫人のひかりさん(左)。右は日本伝統文化振興財団の大野寿子さん。この日は、ひかりさんのお父上である、詩人の野上彰さんが作詩、團伊玖麿さんが作曲された「童話」という隠れた名曲を、岩河智子さんの編曲、三好順子さんのピアノで、那大子さんが深く切なく歌われて、感動を呼びました。
  
明るい街の/片隅に/ひとりの娘が住んでいて/貧しい暮らしを/してました
  貧しいけれど/清らかで/たとえば朝の虹の雨/桔梗の花を/咲かすように

歌は美しい1番から始まって、哀しい5番で終わります。
 
 お墓は海辺の/オリーブの/静かな木陰にたちました
  黄色い小鳥が/とむらいの/歌をうたって/やりました
   名前もなにも分からない/ひとりの/娘のその墓に

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たくさんの時間が流れました。
現実の娘は、きれいな22歳に成長しました。
ヴァイオリンをたずさえて、元気です。感無量の父子初共演。涙が出てしまいますね。
みなさま、大いなる宴をありがとうございました。ご夫妻、おめでとうございます!
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by hazukihallhouse | 2011-11-15 21:08 | *音楽会のごあんない

[おんそうず]音楽会のご報告

[おんそうず]のみなさんによる音楽会が、
秋たけなわの土曜の一日、八時間にわたって繰り広げられました!
ピアノ、フルート、リコーダー、そして歌とお料理と楽しいおしゃべり…。
葉月ホールハウスでは二度目の開催となりました。ありがとうございます!
すべては坂東安次郎さん(いちばん奥)と、ピアニストの翔一郎さん(手前中央)親子の音楽活動から始まりました。
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安次郎さんのブログ[音楽大好き親子の日記~音に想いをのせて~]に共鳴したブログ仲間のみなさまが、
この日のために全国からボストンからはるばる集合してそれぞれの演奏をご披露なさいます。
音と想い、をつなげて読んで、その名も[おんそうず]。
坂東さん手づくりのプログラムにはリストからドヴォルザークまで名曲がずらり。
ソロあり連弾ありデュオありの、バラエティあふれる演出です。
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ブログのオフ会とも言える音楽会ですから、初顔合わせの方もいらっしゃるわけなのですが、
音楽会は、ずっとずっと、和気あいあい。心優しい坂東さんのお人柄とご努力がにじみます。
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翔一郎さんの、すばらしいピアノソロです。このホールが大好きなんです、と言ってくださいました。
また自転車に乗って、いらしてくださいね! お待ちしています!
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by hazukihallhouse | 2011-11-15 11:37 | *音楽会のごあんない

[小さなコンサート]のご報告

11月最初の日曜日。
小雨のなか、はずむようにやってきてくれたのは、おめかしをした男の子たち女の子たち。
最年少5歳。みんな小さな演奏家です。きょうはドキドキの発表演奏会です。
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ピアノは三宅実花先生(右)、
ヴァイオリンとヴィオラは久良知庸子先生(左)によるご指導です。
お二人はそれぞれに教室を主宰されている高校時代からのご友人で、
演奏会の最後には「ジプシーの女」「タイスの瞑想曲」を息の合ったデュオで奏でられました。
憧れの先生の名演に、生徒さんたちは息をのむ思いで聴き入ったことでしょう。
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この鍵盤に、小さな手が踊っていました。
可愛いプログラムは、「グーチョキパーで」から始まって、
ブルグミュラー、ショパン、シューマン、ブラームスの名曲がいっぱいです。
30年前に生まれたピアノが今もこうして未来のこどもたちに弾かれることは、葉月ホールハウスのよろこびです。
ご両親やご祖父母たちにもよろこんでいただけた佳き一日となりました。
みなさま、ありがとうございました。
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by hazukihallhouse | 2011-11-07 22:56 | *音楽会のごあんない