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ギャラリー・トーク 「続・辻征夫の肖像」

辻憲作品展会期中に行われたギャラリー・トーク 「続・辻征夫の肖像」は、貴重なお話が次々に展開されて、
あっというまの三時間となりました。次回 「続続・辻征夫の肖像」が待たれます。
現代詩文庫『辻征夫詩集』が、続続、まであるように。
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現代詩文庫シリーズは、60年代に思潮社編集部員だった辻征夫さんの企画で立ち上がったもの。
まさか自分の詩が現代詩文庫に三冊も入るとは、当時の兄も思っていなかっただろうなあ、と辻憲さん。



辻征夫さんの最後の詩集となったのは 『萌えいづる若葉に対峙して』。 
この日のギャラリー・トークは、まさに善福寺公園の萌えいづる若葉に対峙しておこなわれるかたちになりました。
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萌えいづる若葉に対峙して    辻征夫

窓の外に林が見え樹木はいまいっせいに若葉を芽吹かせている
感ずるのはひとつの勢いで木々の沈黙がむしろ不思議だ
机上にはむろん白紙があって手にはボールペンさえにぎっている

(中略)

萌えいづる若葉と対峙していま抒情詩を書いている
ただ詩といえばすむものを抒情詩というところがかれのきどりで
いささかのアナクロニズムを偏愛するというのも口癖
とはいうものの
ともかく
 
血まみれの抒情詩人がここにいて
抒情詩人はみんな血まみれえと
ほがらかに歌っているのですよ

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上右が、『萌えいづる若葉に対峙して』(思潮社)。 
左へ、 『詩の話をしよう』(ミッドナイトプレス)、 『新版 辻征夫詩集成』(書肆山田)。
萩原朔太郎賞と現代詩花椿賞を受賞した『俳諧辻詩集』は用意が完売し、写真に撮る機を逸しました。

今回は、辻征夫さんが自作を朗読されていた肉声もCDで聴くことができました。
一枚は谷川俊太郎、賢作さん親子が作られた『日本現代詩の六人~呟きから叫びまで・自作を読む六つの声』より。
もう一枚は、川村之さん(下)が作られた、旅先の記録としての私家版より。
また松下育男さんは辻征夫さんの詩・自選ベスト11+感想+解説つきの小冊子をご用意、お客さま全員のおみやげにしてくださいました。ご自身の詩のブログにも少しご紹介してくださっています。
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そして十代からの詩友として「辻征夫より辻征夫のことを知っている」と自負されるのが、井川博年さん。
若き日のお二人の写真などをのせた一枚の資料を、お客さまのお手元へとご用意くださいました。
丸山豊記念現代詩賞、藤村記念歴程賞を受賞された詩集『幸福』にも、辻征夫さんへの一篇が入っています。
つげ義春さんの帯文にそえられたペン画は、辻憲さんによるものです。
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語り尽くして (語り足りずに?) 日が暮れました。みなさま、どうもありがとうございました! また今度!
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by hazukihallhouse | 2011-05-16 15:58 | *詩の会のごあんない
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